『月経の不調(月経痛/月経困難症)への対応』その5
病院での検査、検査結果を受けての対応は?
・病院では、病歴、家族歴、既往歴、生活習慣を詳しくお聞きします。
検査として、「二次性徴※の有無の確認」、「ホルモンの採血検査」、
「原発性無月経の場合は染色体検査」も行います。
※ 二次性徴とは、思春期になって現れる性器以外の身体の各部分に
見られる特徴のことです。
更に、超音波、CT、MRI等の画像検査も行うことがあります。
・ホルモン検査として、
「性腺刺激ホルモンの卵胞刺激ホルモン(FSH)」
「黄体化ホルモン(LH)」
「乳汁分泌ホルモンであるプロラクチン」
を測定します。
・無月経の重症度を診断する目的で、黄体ホルモン単独で子宮からの
出血が起こるか調べます。
出血があれば第1度無月経です。
出血しない場合は、第2度無月経ですが、黄体ホルモンとエストロゲン
の両方を投与して子宮からの出血があれば、子宮は機能していること
がわかります。
・こうした検査により、無月経の種類、原因を調べ、それに合わせて治療
します。
・なお、無月経の診断で忘れてはならないのは、妊娠です。
閉経前の続発性無月経の場合、必ず妊娠しているか調べます。
次回は、
「続発性無月経・原発性無月経の治療」
についてです。
現在、医療法人財団順和会山王病院長、国際医療福祉大学産婦人科統括教授、日本産科婦人科学会監事(前理事長)、現場医師として、女性診療、人財育成の最前線に立ち、また厚生労働省の各政策会議、日本学術会議、公的運営会議、学会等の公務に務め、赤ちゃん、お母さん、女性の健康と笑顔に資するべく、業務に取り組んでいます。尚、2020年まで東京大学医学部産婦人科教授として長年、診療、研究、教育を務めて来ました。