コラム

『月経の不調(月経痛/月経困難症)への対応』その6

2023.07.14

続発性無月経・原発性無月経の治療は?

続発性無月経

 

 ・続発性無月経は、健康な女性でもよくある状態です。

 

  そのうち、妊娠・産褥(お産の後)と閉経後の無月経は、

  病気ではなく、生理的続発性無月経と言います。

 

  生理的続発性無月経以外の病的続発性無月経のうち、

  大半占めるのは、ホルモン異常が原因で排卵が止まった

  無排卵性のものです。

 

 ・ホルモン性の続発性無月経の多くは、脳の指令系の異常による

  中枢性の視床下部下垂体性のものです(83%)。

 

  これに対し、卵巣自体の機能異常が原因のものは少数です(6%)。

 

 ・中枢性の無月経の原因として、

  過度のダイエットや肥満、ストレス、疲れなどによって、

  女性ホルモンのバランスが崩れることが重要です。

 

  稀ですが、下垂体の腫瘍や他の病気が原因のこともあります。

 

 ・うつ病などの精神科の病気で用いられる抗うつ薬や睡眠薬、

  精神安定剤などが原因で、プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)という

  ホルモンのレベルが高くなり、その影響で月経が止まることもあります。

 

 ・続発性無月経の治療は、原因、年齢、妊娠をすぐに望むかによって

  変わってきます。

 

 ・初経から間もない思春期の場合は、月経が1年に3-4回あれば、

  成長を待って治療するか考えます。

 

 ・過度のダイエットや肥満、ストレスがある場合は、

  カウンセリングをうけて、心の安定を取り戻すことが大切です。

 

 ・妊娠を望む場合は、排卵誘発療法を行いますが、

  妊娠を望まない場合は、ホルモン療法で定期的に月経を起こす

  治療をします。

 

 ・閉経後に更年期障害がある場合は、ホルモン療法や漢方薬を使います。

 

 ・下垂体の腫瘍や他の病気が原因の時はその治療を行い、

  抗うつ薬や睡眠薬、精神安定剤でプロラクチンレベル(乳汁分泌ホルモン)

  が高い場合は、もともとの病気の治療を優先し、

  同時にプロラクチンレベルを下げる薬を使います。

 

 ・続発性無月経は、なってから治療するより、そうならないようにする

  ことが大切です。

 

 ・そのために、日頃から基礎体温を記録するなど、自分のホルモン

  状態に注意する習慣をつけましょう!

 

 

 

原発性無月経

 

  ・原発性無月経の頻度は、0.3~0.4%と非常にまれです。

   原因としては染色体異常や腟、子宮といった性器の形の異常など、

   難しい原因が潜んでいることが多いです。

 

 ・また、日本では15歳までに98%の方が初経を迎えるので、

  16歳になっても月経が来ない場合は、病院で検査や治療を

  することをお勧めします。

 

 ・原発性無月経の原因が、処女膜や膣の閉鎖の場合は手術を行います。

  ホルモンの異常の場合はホルモン療法を行います。

 

 ・染色体異常の場合は、ご本人だけでなくご家族と一緒に病院に相談

  をしましょう!

 

 

以上で月経の不調は終わりです。

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