コラム

『月経の不調(月経痛/月経困難症)への対応』その2

2023.06.13

「脳」と「ホルモン」と「卵巣」の関係についての理解が重要です。

  脳の中でも、「間脳」の役割をご存じですか?

  「間脳」は、女性ホルモン分泌にとても重要な役割を果たしています。

  「間脳」は自立神経の中枢である「視床下部と、

   種々のホルモンを分泌する「下垂体」などから出来ています。

 

  ①まず、間脳の視床下部からGn-HRと言う

   「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」が分泌されます。

   このホルモンは、「下垂体」に、『卵胞刺激ホルモン(FSH)』の合成・

   分泌を促進させます。

 

  ②そして、下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が、分泌されます。

                  

    間脳視床下部からGn-HRホルモン分泌

           ↓

      下垂体からFSH分泌

 

  ③『卵胞刺激ホルモン(FSH)』により、卵巣中の卵胞が発育し、その中で

    卵子が成熟します。

    そして、卵巣から『卵胞ホルモン(エストロゲン)』の分泌が増加し、

    子宮内膜が増殖します。

 

  ④卵胞が十分に大きくなると、エストロゲンの分泌も増え、陽性フィード

   バックが間脳に働いて、下垂体から『黄体形成ホルモン(LH)』が短時間

   に大量に分泌されるLHサージが起こります。

   その結果排卵が起こります。

                         

         FSH分泌 

           ↓

      卵巣の卵胞発育・卵子成熟

           ↓ 

     卵巣からエストロゲン分泌増加

           ↓

        子宮内膜増殖 

           ↓ 

       卵胞が大きくなる

           ↓

      下垂体からLHサージ

           ↓

         排卵が起こる

 

  ⑤排卵後の卵胞黄体に変化し、『黄体ホルモン(プロゲステロン)

  が分泌され、子宮内膜は水分を含んで厚みを増し、受精卵の着床準備を整

  えます。

  妊娠しないと黄体が約2週間で退縮し、子宮内膜が剥がれて血液とともに

  排出され、月経となります。

                        

        卵胞が黄体に変化

           ↓ 

        プロゲステロン分泌

           ↓

          着床準備

           

        妊娠しないと月経

 

 

 

 

 

女性の性周期(=月経周期)の調節とは?

・女性の「性周期」は、月経の始まった日から次の月経が始まる

 日までの満日数のことで、「月経周期」と同じです。

・今まで説明したように、

 ホルモンが、間脳の視床下部 下垂体 卵巣 子宮と、

 次々と働き、

 排卵から妊娠、あるいは次の月経に至る「性周期」が調節

 されています。

 

※今までの流れを図で整理!

 

 

 

 

 

(続きは次回コラムで)

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